エマニュエル・パユ フルートリサイタル @ 上海東方芸術中心

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今晩は、仕事を終えて帰宅したダンナに息子を託し、世界で一番有名なのでは?と思うフルーティストのリサイタルを聴きに行ってきました。
まさかここ上海で、パユの演奏を聴くことができるなんて!
しかも自宅から徒歩で来られる場所。

まず初めに、ジョリベの「5つの呪文」とテレマンのファンタジーを一楽章ずつ交互に演奏するというプログラミングに驚かされ、色彩豊かで透明感溢れる音色と超絶技巧に、ただただ圧巻。
ジョリベの曲は、普通に聴いても難しそうに聴こえるけれど、実はいろんな高度な技術が必要で、フルートを勉強している人にしか分からないような奏法が含まれているから、それを知ってて聴いていると、パユがどれほどすごい技術の持ち主なのかがよく分かります。

そして二部、あんなに穏やかなアルルの女は聴いたことがなく、その美しい音色に心が浄化され、一人涙してしまいました。
それに続くBorneのカルメン・ファンタジーは、音大時代に試験で吹いたことがあるからこそ難しさがよく分かり、あれだけ速いテンポでも乱れることなくさらりと、尚且つ感情的・幻想的に表現できるのは、さすがとしか言いようのない演奏でした。
今となっては吹ける自信がないけれど、それではダメだと思い直し、また練習してみようと思います。

 

職業柄、会社に勤めていた頃は、世界の一流アーティストの演奏を間近で聴く機会に恵まれていた私ですが、やっぱりパユのフルートは、我を忘れるほどの素晴らしさ。

二時間ものコンサートがあっという間だったし、まだまだ聴いていたかった。

技術力や表現力が高いのはもちろんのこと、ソルフェージュ能力に長けていることも、演奏を聴いていて心地よく感じる理由の一つのように思います。

 

そしてつくづく思ったのは、体験に勝るものはないということ。

プロの演奏をCDで聴くことも必要だけど、やっぱり生で聴いて、その息づかいまでをも体験することが、音楽を学ぶ上では一番大事だし、上達する近道だと思う。

大学を卒業して10年以上がたち、会社を一旦退職して、一流アーティストの演奏を目の当たりにする機会のない今、久々に世界の頂点とも言える演奏に触れて、改めて体験することの大切さを実感しました。

それは音楽だけでなく、子供の教育や旅行、食事などの日常生活においても同じことが言えると思っていて、だから私達夫婦は、息子にできるかぎり本物を体験させたくて、いろいろな所へ連れていくようにしています。

「体験」には、お金を払い、時間を費やす価値がある。

そんなモットーを改めて確信する機会にもなりました。

 

コンサートに行かせてくれたダンナと、情報をくださった方、チケット手配に協力してくださった方々に感謝です☆

そして、たまたま五日後に同じ建物内で演奏する機会が控えていることだし、今日のパユの音を耳に焼き付けておいて、私は私らしい音色でホールを響かせたいと思います。


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